先週土曜日の卜部さんとの対談でサッカーの内容として印象的だったこと。
最近『信念を曲げない』と言う言葉をよく耳にしますよね?
あれ僕は違うと思ってるんですよ。
大人になるにつれてある程度自分の価値観が固まり、あたかも自分が考えていることが正しいと思ってしまいがちだと思います。
僕もオーストラリアに来てサッカーをやっていく中で2年間は自分の考えが正しいと思ってやっていました。
『今でもあきらかにサッカーは日本人の方が上手くて技術があるのに3か月もすれば試合にでられなくなる。なんでやねん。と。黙々と練習して技術を磨いて試合の準備をする。でも結局使ってすらもらえない。本当にたくさんそんな選手を見てきました。』
先月対談したブンデスリーガフォルトゥナのフロントで活躍されている瀬田さんも全く同じことを言っていたことも印象的です。
実際海外でまず監督やコーチが選手を観る時の基準として1番重要視する部分は、その選手がチームにとってどうゆうことをもたらせる力を持っているか?つまり技術やフィジカル的な要素よりもどんな人間性の持ち主なのか?チームに溶け込む努力ができる人物なのか?というサッカー以外の部分だそうです。
日本人はコツコツ真面目になんでも一生懸命取り組み、細部にこだわる。これは日本人が持っている世界一の強みだと思います。
その強みを生かすためのコミュニケーションスキルや考え方の幅が一方向。
日本の学校では一斉授業形式で縦の上下関係が重んじられる社会でもあります。
『伝えないことも美徳』とされています。確かにこの空気を感じる部分は日本人が優れていることの一つでしょう。
しかし、『伝えないこと』と『伝えられないこと』は180度違うということをしっかり認識すべきではないでしょうか?
ユナイテッド平野の高学年では練習後サークルという儀式?笑。を行っていますが、
伝えることの基本は、人の話をしっかり聞くことであり。理解すること。
その後に、自分がどう感じたかを頭で整理すること。そして、自分の考えを言葉で相手に伝えること。という段階を踏みます。
そういった場面を幼少期から家庭や学校、クラブなどで子供たち主動でたくさん与えられているのか?
『言語やコミュニケーションの壁にぶち当たった選手たちは、2つの選択肢をせまられます。オーストラリアに残るか?去るか?実は両者ともに気付いているんですよね。笑。自分が試合で使ってもらうためにはコミュニケーションが必要で語学を学ばなければならない。って。でも大人になっていまさら勉強したくないんですよ。初めは僕もそうでしたけど。その後、前者は必死に頑張りはじめてチームの一員として試合に出るようになります。一方で帰る選手は環境のせい。理解してもらえない。他人のせいにしてしまう。』
時に『信念を疑う』ことの大切さ
疑える力、ベストを常に追い求めることでしか成長はないですよね!
【卜部太郎さん紹介】
元セレッソ大阪のJリーガー。海を渡りオーストラリアのリーグで活躍後、現在はオーストラリアと日本の子供たちの国際交流の仕事を行なっています。情熱的でみんなから愛されるキャラクターです。