先日、アジアの渡り鳥こと伊藤壇選手とお話しする機会がありました。
壇さんは、アジア諸国のリーグで活躍する日本人選手です。契約、交渉、選手としてのキャリアを自らの手で切り開き、今では18の国と地域のリーグでプレーしたことは世界ギネス記録に認定されています。当日は、アジアでプレーする理由や海外でプロのサッカー選手として活躍し、生き残る為に必要な事。それぞれの国での文化の違いなど和気あいあいと話してくれました(^。^)
一番自分がしんどかった国は・・インドかな、1年間一生カレーしか食事がなかったから、カレー嫌いになったよね。日本帰っておかんが作ったカレーたべなかった。笑
日本はどうにかしたら食べれるし、おいしい日本食や色々な国の食事がたのしめるのはアジアではかなり恵まれた環境ですね。残さずたべましょう!
なぜ、代理人や人に頼らず「チーム探し・契約・交渉・プロのキャリア作り」まで自分でやるのか?
やっぱり人にたよってしまうと契約できなかった時に誰かのせいにできてしまいます。でも、すべてを自分でやることで契約できるもできないもすべて自分の責任になるので・・
タイでは日本人選手が多くなったけど、日本人の代理人が選手をうまく利用して契約させるケースもあって、日本人が日本人をだますこともある。そんな事にならないためにも自分でできることはやることをお勧めしますね。
チームへのアプローチはどのように行っているのか?
例えば現地にいってその辺でやっているストリートサッカーに乱入して上手さをアピールした後、色々な情報を得てチーム紹介までこぎつけたり、今はネットワークも充実しているのでfacebookなどから直接チームを探したり、現地チームの熱狂的なファンと友達になりそこからチームに紹介してもらったりと。方法は色々です。
その後、チームとの交渉~契約は?
一番大切なことは、やっぱり相手側に自分の気持ちと熱意が伝わるか?ということです。練習に参加させてもらえるかテストさせてもらえるかがまず第1段階。電話やメールではなくて直接出向いて行き、目を見て話す事が大切ですね。テストでは、外国人枠が限られているため、南米の選手やヨーロッパの選手よりもプレーできる証明、チームに必要な存在だとアピールしなければ契約してもらえない。フィールドの中では、みんな生き残る為に必死なわけでワザと苦手な足に少しズラシタとりにくいパスを出したり、出されたりと。そこでも駆け引きがあります。
現地の選手が集まれば自分の生活もかかっているのでパスがまわってこないことも当然のようにありますし。そうならない為に大切な事は、オフ・ザ・ピッチでの振る舞い方です。テストの前や練習前などにリフティングの技を魅せたり、世界的な文化である日本の漫画や芸能人の話しをするなどコミュニケーションをとっておくことで試合中に自然とパスが回ってくるようになりアピールするプレー時間が増えます。もちろんひとつひとつのプレーの質が高い事と他の選手と違う価値があることをアピールしなければダメですけどね。
契約段階では、日本みたいに口約束という文化は海外のどこの国でも存在しないため、必ずテーブルの上にICレコーダーを設置して証拠をとって相手の気分がかわらないその日にサインまでしてしまいます!
海外でプロサッカー選手として続けるために一番大切な事は?
「自分のサッカー観を捨てる事」ですね。確か以前にもオーストラリアでプロサッカー選手としてい続けている選手は?という質問にオーストラリアで選手のサポートをしている卜部さんは、「自分の価値観を捨てる」と言っていたことを思い出します。どういうことか?というと、やっぱりチームとして監督が求めているプレーができないともちろんプロの世界では使ってもらえないです。チームメイトに認めてもらえなかったら、パスなんか来ません。だから、自分がこのチームで求められている役割はなんなのか?チームの一員になるためにオフ・ザ・ピッチでどのようにすればいいのか?常にその時々で考えます。『適応力』という意味ではワールドクラスだと自信があります。
海外でプロサッカー選手として続けられない選手は?
そういった人や選手に共通して言えるのは、必ず誰かのせいにしてしまいますね。他人のせい、環境のせい。国が違えば文化や風習も違うわけですから、自分が必死に適応しなければ生き残っていけない。それが分かってきているはずなのに、自分のことを分かってくれないと。わかってもらうためには、自分が努力しなくちゃいけません。例えば、出来るだけ空いている時間をチームメイトと一緒いる時間を増やしたり。現地の食べ物を食べたり。日本に来ている外国人に納豆をすすめて食べてくれたら、なんとなく親近感がわくじゃないですか!そんな感覚ですかね。あまり気分が乗らないことも、プロとして生き残るためにはしなければならいないことです。それが出来ない選手はいなくなりますね。
今後の目標は?
僕の背番号が19なのであと一か国ではプレーしたいですね。あとアジアのサッカーのスペシャリストになることです。今までアジア一筋に続けてきたことで、アジア専門の解説者やサッカークリニック、講演、書籍の仕事などもありますし、アジアでプロになりたいと思う青年達のサポートをしたいと考えています。
壇さんはほんまに誰からも愛されるような雰囲気を醸し出す人でした。
大事にしていることで印象的だったのは、「やっぱりサッカーだけではなく人として成長したい。」という言葉でした。チャレンジしてみて、自分で失敗してみないと本当の意味でわからないこともある。これは誰にでもあてはまる事ではないでしょうか?。そして交渉の時の話の中にもありましたが、気持ちを伝える。熱意を伝えるためには、メールや電話ではなく、直接、目を見て話をすることが大事ということです。小さい時に言われていたこと。要は原点が大事である。そんなことを思い出させてくれる機会になりました!!感謝です(ー_ー)!!
サッカー少年、少女へ!
子どもの頃から、リフティング100回できるまで絶対に帰らへんなど。何か目標を決めてやっていました。大きな目標を決めたら、その目標にいくために小さな目標を決める。(1年後の目標、3か月後の目標、明日の目標、今日の目標など・・・)細かく目標を設定することでやるべきことがはっきりしてきます!出来たら何か自分にご褒美を与る!の繰り返しで身につくものは大きいです。
『今日できることは、明日に持ちこさない!』
できることから続けていきましょう!!