10月15日(土)聴覚障がい者ができるサッカーとして競技化した、デフサッカー体験を実施しました。
「デフ」とは英語で「deaf(聞こえない人、聞こえにくい人)」という意味で、デフサッカーとは、聴覚障がい者のサッカーであり、競技中は補聴器を外すことが義務付けられていることから「音のないサッカー」の愛称で呼ばれています。ピッチ上ではアイコンタクトや手話でコミュニケーションをとっています。
午前は、スクール生対象。
・テーマ【 障がい者理解とコミュニケーション能力の向上 】
午後は、JSCメンバーとなでしこ対象
・テーマ【 障がい者理解と観察力・洞察力の向上 】
当日は、デフサッカー日本代表コーチの植松講師(中)と今年6月に行われたデフサッカーワールドカップに出場された日本代表キャプテンの細見選手(左)、日本代表エースの古島選手(右)にお越し頂き指導してもらいました。
【内容】
まずは、手話であいさつ。
その後声に出してデフサッカーの説明と自己紹介をして頂き、W-UPに移ります。
(当日は補聴器をつけてもらい実施)
耳の聞こえない人、聞こえにくい人に伝える時にはどのような工夫をしますか?
・・・
「ゆっくり話す」
「口の動きを大きくして話す」
「動きを入れて話す」
「踊る・・?」etc.
子供たちなりに考えて言葉にしていました。
①W-UP(ジェスチャー借り物競争ゲーム)
2人一組になり、そのうちのひとりがコーチから共通のお題を聞きもう一人に伝えて、伝わった物を探し植松コーチのところにもってくる。
その後は、これを伝言ゲームの要領で4人一組で行いました。
ルール(声と音は出さない)
1回目は、口パクのみ
2日目は、ジェスチャーのみ
3回目は、口パクとジェスチャー両方OK
お題
(①赤色のコーン、ペットボトル②オレンジのボール③タイヤにすわる)
はじめはただ伝えることに必死でしたが・・・。
色をどう伝えればよいのか?
形をどう表現すればいいのか?
大きさはどうすれば伝わるのか?
普段は言葉ですぐに伝わる事ですが、耳が聞こえないと仮定して伝えること、説明することはすごく難しいことです。人それぞれの方法やイメージを共有していくこと。本当に相手の立場にたって伝えられているのか?ということを知る機会となりました。
②手話を見て判断するTR①
スクール生
ドリブルで進む方向には色のマーカーで作られたゲートがいくつか存在します。その色のゲートを植松コーチが示した手話の色を判断して通るTR。途中からレベルがあがり、示される色が2色になったり、色と数字を見て判断してプレーしなければいけない設定で行いました。
JSC・なでしこ生
2人の選手が真ん中で対峙する形でスタート。両端には複数の色のコーンがあり、植松コーチが手話で示した色のコーンにボールを当てた選手の勝ち。途中からは、次に並んでいる選手がプレーする選手に当てるコーンの色を手話で伝えてスタートする設定で行いました。
コーチが手話を出すときにいかに集中して観察できているか?見たものをいかに頭の中で整理して判断に移せるか?行動に移したときのスピードや相手や状況を洞察しながらプレーできているか?
手話を伝える人はわかりやすくジェスチャーする必要があります。
相手がはっきりわかるように表現してあげている選手が沢山いました(^◇^)
③手話で判断するナンバーゲームTR
2チームに分かれチームごとに手をつなぎコーンとコーンの間のラインゴールを守る。手話で示された番号の選手がフィールド内に出てきて1対1や2対3を行う。
まずは手話を覚えること。自分の番号だけではなくて10個すべて番号を覚えてチームメイトに声をかけている選手もいました。「記憶力・観察力・判断力・実行するスピード」子供たちも必死に観て頭のスピードを上げてプレーしていました。
④日本代表細見選手、古島選手とMIX試合
現役の代表選手と混ざってゲーム!それだけでもかなりの刺激がありました。
ルールは、言葉を出してはいけない。
相手との距離感や、味方の動きなど周りの声がない分よく観察しておかなければプレーできません。
自分の「目と脳」だけが頼りになります。また、サポートする選手は仲間がプレーしやすいようにポジショニングをかえてあげることが大切でした。そんな中でもゴールが決まった後は、ハイタッチやアイコンタクト、ジェスチャーで喜びを表現していたのが印象的でした!!
⑤日本代表選手から子供たちへのメッセージ
子供たちに本当に大切にしてほしいことを伝えてくださいました。
自信と生きがいをもって輝いていきている細見選手・古島選手・植松コーチ。の話しだからこそ、子供たちにもしっかりと伝わったと思います。
【まとめ】
今回の学びのテーマは「障害者理解とコミュニケーション能力の向上」 「観察力・洞察力の向上」でした。サッカーや日常生活でもコミュニケーション能力は必要不可欠です。今回のデフサッカー体験で子供たちの伝え方や聞き取る力への刺激になったと思います。
また、子供たちが社会の中にはいろいろな人がいる。ということを知り、障がいのある人もない人も同じ社会でフィールドでお互いに支え合いながら生きていることに気づけた良い機会となりました。
当日、充実した体験ができたのも、遠方より来て頂いた、植松講師・細見選手・古島選手のおかげです。本当にありがとうございました!!
今後もユナイテッド平野は、理念である「みんなから応援される選手・チーム」を目指した取り組みを実践していきたいと思います。
温かいご支援、ご協力の程、宜しくお願い致します!!( ^)o(^ )
・動画で振り返ろう!!【デフサッカー体験】
【写真】
ユナイテッド平野事務局
7つの障害者サッカー 紹介HP
日本ろう者サッカー協会(聴覚障害者)
日本アンプティサッカー協会(切断障害)
日本ソーシャルフットボール協会(精神障害)
日本知的障がい者サッカー連盟(知的障害)
日本電動車いすサッカー協会(自立歩行が困難な障害)
日本脳性麻痺7人制サッカー協会(脳性麻痺による障害)
日本ブラインドサッカー協会(視覚障害者)